日本学術振興会 育志賞を受賞しました

2022年01月20日

2022.01.20
このたび, 第12回 日本学術振興会 育志賞を受賞しました. コウモリ類のエコーロケーションの進化的起源をめぐる一連の研究成果を評価して頂いた形となります. 

コウモリ類は超音波能力, 飛行能力はもちろん, 重篤なヒト疾患の原因となる多くのウイルスのキャリアとなっていることや, 他哺乳類と比べて極めて長命であるという点から, 海外では多くの注目を浴びている研究対象ですが, 日本では研究者人口が他哺乳類グループと比べ極めて少なく, あまり目立っていません. 

今回, このような形でコウモリ研究に光が当たったことが, コウモリの生活史についてもっと知りたいと思う人が増えることの1つのキッカケとなることを切に望みます. そしてコウモリの魅力にとり憑かれた私自身もまた, 今回のことを励みにより一層精進したいと思います. 


日本学術振興会 育志賞ページ
https://www.jsps.go.jp/j-ikushi-prize/data/ichiran/12th_ikushi_list_jp.pdf


関連論文

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    Nojiri, T., Werneburg, I. Son, N. T., Tu, V. T., Sasaki, T., Maekawa, Y., and Koyabu, D. (2018) Prenatal cranial bone development of Thomas's horseshoe bat (Rhinolophus thomasi): with special reference to petrosal morphology. Journal of Morphology

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    (非モデル動物で蝸牛の三次元的な発生記載を行った例は本研究が初)

    Nojiri, T., Fukui, D., Werneburg, I., Saitoh, T., Endo, H., and Koyabu, D. (2021) Embryonic staging of bats with special reference to Vespertilio sinensis and its cochlear development. Developmental Dynamics

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    Nojiri, T.
    , Tu, V. T., Sohn, J. H., and Koyabu, D. (2021) On the sequence heterochrony of cranial ossification of bats in the light of Haeckel's recapitulation theory. Journal of Experimental Zoology Part B: Molecular and Developmental Evolution

  • コウモリ類のエコーロケーションがコウモリ類内で収斂進化していることの発見

    Nojiri, T., Wilson, L. A. B., López-Aguirre, C., Tu, V. T., Kuratani, S., Ito, K., Higashiyama, H., Son, N. T., Fukui, D., Sadier, A., Sears, K. E., Endo, H., Kamihori, S., and Koyabu, D. (2021) Embryonic evidence uncovers convergent origins of laryngeal echolocation in bats. Current Biology


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